三番町萩原屋の美人(2)三番町萩原屋の美人 選集1

三番町の老人たちは、集まって趣味のクラブを作るのがお好き。
これまでも「俳句の会」だの「釣りの会」だの「やきいもの会」だの、わいわい楽しくやってきたのだ。
だけど、何をやってもご隠居だけは仲間に入らない。
しかし今度という今度は、何がなんでもご隠居に参加してもらう! 「三番町老人科学倶楽部」と銘打って、気球を作ろうと目論むのだが…!?アメリカ公使のマクドナルドさんのひとり娘で、アメリカ人なのに江戸っ子よりもきっぷのいいリンダ。
通称「赤坂のおりん」・リンダは、魚屋・魚松のアイドルなのだ。
そんなリンダにある日帰国の話が持ち上がる。
けれど彼女はアメリカに帰ろうという父親に猛反発! どうやら魚松に気になる相手がいるみたいなのだが…!?おりんが日本を離れたくないのは、気になる相手・しめ吉と離れたくないからだった! 不器用でも人当たりよくニコニコ頑張るしめ吉のことを、リンダは体格や力にものをいわせる男より、よっぽど男らしくてかっこいいと思ったのだ。
しかし、マクドナルド公使はリンダが日本に残るなど許すはずがない。
平行線をたどる父と娘は、なんと野球で決着をつけることに!!不況の嵐が吹き荒れる中、浪花からやってきた型破りの商人・三好人生。
東京の物価にケチをつけ、独自のやり方で売上を伸ばす彼は、老舗の呉服屋・萩原屋にも挑戦状を叩きつけた! 対する萩原屋番頭・勘二は、いい呉服をまじめに売ることだけを考える商売人。
よその店と比べることなく、高いものより似合うものを売ってきた。
そんな勘二は人生の挑戦を受けるのか!?勘二に見合い話が持ち上がった。
しかし勘二が乗り気でないのには訳があった。
遊郭・三浦屋のだし巻ことフミのことがどうしても心を離れないのだ。
身売りされた当初、自殺をはかったフミを止めたのが勘二だった。
お互い口には出さないものの恋におちた二人、しかし身請けの決まったフミを勘二はどうすることもできない…。
だが、フミを気に入った人生は力ずくで奪うと宣言して!?続きはこちらから⇒ttp://www.ebookjapan.jp/shop/book.asp?sku=60014598